少しジッとり汗をかき
イヤな記憶が次々と浮かんでは消え、頭が忙しくうなされた
目が覚めるか覚めないかの瞬間
遠くから何か微かに聴こえる
聞いた事のある旋律
こもった音はだんだんと強くなってきた
なんだか心地いいな…
水面が揺れ始め、チャポチャポと波打つ
音色は優しいが、この湖畔を取り囲むように大きく響き始め
トン♪ とワントーン大きくなった時
心地いいメロディに誘われるように
水面を覗いてみた
だんだんと黒い物体が浮かんで
大きくなってきた
ピアノ?
鳴ってるのはこれか?
ボー然と眺めているうちに見る見る間に
水面に
大きく鳴り
湖畔のこの森に反響して、ついに姿を見せた
独りでに鳴るピアノ
水が滴り落ち、
完全に水面の上に置かれて演奏されてるようだ
鳴り続けるメロディに
ずっと、
ずっとノッテいたい自分がいた
ずっとノッテいたい自分がいた
探し続けてた何かを、
忘れていた何かを思い出す
忘れていた何かを思い出す
思い出すこ事は、苦しく辛い事が多かったはず
それでも
やってみようか、もう一度
と漠然と思えた
鳴り続けるメロディに終わりなんて無いんだろうな…
なんて思っていたら
今度はピアノが浮かび出し
ゆっくり、ゆっくり昇っていく
鳴り止まないメロディを耳で追いかけながら
見上げた
もう少し聴いていたいなと
目を閉じ、耳を澄ました
いつの間にか
メロディは消え
湖畔のそばで座っていたはずの身体は
大の字で寝ていた
空は青く雲がゆっくり流れてる
ピアノはもう消えていた
水面には小さな波紋が時折起きるくらいで
水面には小さな波紋が時折起きるくらいで
静かに虫の声がさえずっていた
身体についた枯葉を払い立ち上がる
よく寝た気分と楽しかった気分が入り交じる
そして
もう戻ろうか、という気分になり
湖畔をあとにした
湖畔をあとにした
耳に残されたメロディは
忘れない
心強いけれど儚さを感じてる
ココロに決めたのは自分で
ココロに止めたメロディで
ココロに強く願うんだ
舞い上がり何処かへいったピアノを探すように
決して見つからないだろうけれど
この思いを抱いたまま
この思いを抱いたまま
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